ここは、どこから来た人でも自分に戻れる場所。
見知らぬ人、旧知の人と語り合うための大きなテーブルと、
一人で静かに向かえる小さなデスク。
この土地の本と、世界の匂い。
ことばは、いくつか。
軽やかに旅をし、深く考える人を、歓迎します。
Essaiの建物は1989年10月に竣工し、この地域のコミュニティセンターとして使われていました。
誕生した時から地域の人が集まる場所だったのです。
部屋は2階、室内は南面、北面共に、窓ガラスに覆われ、ちょうど腰掛けられる高さのベンチが巡っています。南側は田んぼ、北側は道宗(*)さんの生まれた場所で石碑が立ち、桜、梅、こぶし、松の木々に囲まれる中庭を臨む、穏やかな景色が広がります。
それが、Essaiとして生まれ変わった経緯は…
オーナーは、五箇山出身の身近な知人から、長い間そして時折、「五箇山はいいところだから、一度行ってみろ」と、聞いていましたが、2020年、ふと行動に至り、初めて五箇山を訪れました。何となく気に入ったというのでしょうか…?暮らしてみたい感覚が湧いてきました。それには住まいが必要です。物件探しを始め、しばし、紆余曲折があったものの、縁ある家に巡り会え、コロナ下に改装し、引っ越し、初めての村暮らしをしました。
そして2022年早春、かつては村のコミュニティセンターとして使われていた建物を譲り受けられることになったのです。
竣工から30年以上が経ち、傷みもありますが、この地域の建物の特徴をベースに、雪が自然に落ちて楽に暮らせることをテーマにした”楽雪住宅”としてデザインされた、骨太で簡素で温かみのある素敵な建築です。竣工当時の画像は実施設計を担った創建築事務所のサイトで紹介されています。
この建物が生まれ持った特徴は尊重しながら、現在の暮らしにフィットした使いやすさ、モダンさ、軽やかさでリアレンジしながら手入れをし、改装を進め、ここはどうんなふうに使っていく場所なんだろう…?と、自問自答していました。
「使う」詳しく表せば「生かして使って渡していく」
「集う場所」
「ゆったりする場所」
そんなキーワードにまとまっていきます。
宿泊施設としても、カフェとしても機能するように許可を得る過程でインフラは徐々に整いました。
外から見える窓辺に花を飾ったり、フォーカルポイントになるかと、オーナーの妹が製作した鍛造の花瓶やお菓子の焼き型を並べたり…
窓越しのちょっとした会話も建物が長い休眠から息を吹き返すきっかけでした。
そのうちに、会話の流れで近所の人たちと道宗さんの庭の夜桜を楽しむ機会も生まれます。
そう、やっぱりここはコミュニティセンター。交流の場所。
